ヘーゲル「精神現象学」入門
「意識」から「絶対知」へ
ギリシャ以来の壮大な知の体系の再構築に挑んだ、哲学史上最も難解にして重要な著作へのいざない
感覚、知覚、悟性、自己意識、理性、精神。意識は経験をとおして高次に向かい、「絶対知」へと到達する――。近代西洋哲学史上、最も重要にして最も難解とされる大著の核心を、精緻な読解と丁寧な解説で解き明かす。「絶対的な真理」を秘めた神話的な書物という虚妄のベールを剥いで立ち上がる、野心的な哲学像の実現に挑んだヘーゲルの苦闘の跡とは。
非常に難解ではあるが、マルクスやサルトルを魅了し、ハイデガーもけっして無視することができなかった、この哲学史上の名著を、誰でも読めるように、引用と要約と解説を組み合わせて、全体の面白さがわかるようにしたいというねらいだった。さまざまな迷路があり、高台があり、行き止まりのところがあるという、複雑に入り組んだ『精神現象学』という世界の名所案内と地図とを兼ねた書物にしたいと思った。――本書「はしがき」より
※本書の原本は、1996年1月、有斐閣より『ヘーゲル「精神現象学」入門〔新版〕』として刊行されました。
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