ひかげの宿/山桜 川崎長太郎「抹香町」小説集
『抹香町』によって、時代の寵児となった川崎長太郎。
しかし短篇群〈抹香町もの〉の全体像は、纏められたことがない。
初期作「夜の家にて」から、売春防止法施行、「抹香町」の消滅、その後日譚まで、
十四篇を精選した本書は、『新編 抹香町』ともいいうる。
扇情的な私娼小説を超え、孤独な男女の魂の道行、
虚飾を剥ぎ取り、危険水域に生きる者たちの生の原形質へと迫る。
長太郎文学の核心を余すところなく示した、歿後三十年記念出版。
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