死の淵より

著:高見 順
定価:1,320円(本体1,200円)

つめたい煉瓦の上に/蔦がのびる/夜の底に/時間が重くつもり/死者の爪がのびる(「死者の爪」)。死と対峙し、死を凝視し、怖れ、反撥し、闘い、絶望の只中で叫ぶ、不屈強靱な作家魂。醜く美しく混沌として、生を結晶させ一瞬に昇華させる。“最後の文士”と謳われた高見順が、食道癌の手術前後病床で記した絶唱63篇。野間文芸賞受賞作。


食道がんに冒され死に直面しながら、自らの生を透徹した眼差しで見つめ、文学的営為の限りを尽くし至高の韻文へと昇華させた、絶唱。
野間文芸賞受賞。

※本書は、1993年2月刊、講談社文芸文庫『死の淵より』を底本としました。

死の淵より

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