大阪文学名作選

編:富岡 多惠子 著:川端 康成 著:折口 信夫 著:宇野 浩二 著:武田 麟太郎 著:小野 十三郎 著:織田 作之助 著:山崎 豊子 著:庄野 潤三 著:河野 多惠子 著:野坂 昭如 著:阪田 寛夫
定価:1,540円(本体1,400円)

笑いの底に強靱な批評精神を秘め 愛しき人の世をリアルに描く名品十一

西鶴、近松から脈々と連なる大阪文学は、ユーモアの陰に鋭い批評性を秘め、色と欲に翻弄される愛しき人の世をリアルに描く。川端康成「十六歳の日記」、折口信夫「身毒丸」、宇野浩二「子の来歴」、武田麟太郎「井原西鶴」、織田作之助「木の都」、庄野潤三「相客」、河野多惠子「みち潮」、野坂昭如「浣腸とマリア」、小野十三郎「大阪」(抄)、山崎豊子「船場狂い」、阪田寛夫「わが町」(抄)の名品十一。

富岡多惠子
現在までのところ、近松資料館、西鶴文学館のごときものが大阪市内にあるとは聞かない。まして近代文学に関しては推して知るべしというところで(中略)この手の大阪の「つれなさ」は冷淡とはちがって、どこか含羞とつながっていないだろうか。文芸、文学というのは「もっともらしい」ことを嫌うはずだ、それを「もっともらしい」エライものにしてしまっては――という気持があるのかもしれぬ。――<「解説」より>

大阪文学名作選

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