黙阿弥

著:河竹 登志夫
定価:1,650円(本体1,500円)

黙阿弥の真の姿と心の奥の風景を描く曾孫からの鎮魂の評伝。
ーー坪内逍遙に“明治の近松、我国のシェークスピア”と称された河竹黙阿弥。その78年の生涯を、秘蔵の原稿や手記をもとに、曾孫にあたる著者が心をこめて描いた評伝。幕末から明治への激動の時代を生きた黙阿弥の作者魂と、江戸作者の矜持。それは現代にも通じるひとつの「生」の記録でもある。
◎松井今朝子 黙阿弥没後百年目に上梓された単行本の「あとがき」に、著者は「私が書こうとしたのは、狭義にいう伝記でも論文でも、評論でもない」と記しているが、書き出しはまるで時代小説のようだ。そして読み進めるうちに、その資料の厚みと考察の確かさによって、へたな時代小説よりもはるかに面白い読み物だということに気づかされる。演劇学の泰斗にこれほど読みやすくて面白い著作があれば、もはや小説書きの出番はなかろう。――<「解説」より>
※本書の初出は、「別冊文藝春秋」(1991年夏~1992年秋)に「孤影の人」という題で発表され、単行本は、文藝春秋より1993年2月に『黙阿弥』と改題され刊行しました。底本は、文春文庫『黙阿弥』(1996年)を使用し、著者により若干の訂正をいたしました。

黙阿弥

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