箱庭

著:三浦 朱門
定価:1,650円(本体1,500円)

戦後20年、経済的にも物質的にも豊かになった日本社会。東京山の手を舞台に、一つのの屋敷内に住む、父母、長男夫妻、次男夫妻の世代の異なる3カップルが繰り広げる悲喜劇。主人公の長男・木俣学と、弟・修の妻・百合子の情事をきっかけに、「箱庭のようにせまく、息苦しくそのくせ形だけはととのっている」家族が、ゆっくりと、静かに崩壊してゆく姿と、その荒涼とした心の風景を描く力作。幸福な「家族」の静かな崩壊を描く長篇小説。
〇富岡幸一郎 この木俣家の人々は、「1億総中流」の時代のただなかで、あたかも「幸福」な家族の共同体を演じながら、すでにそこでずっと以前から残骸になっていたのではないだろうか。そして、それはただこの小市民的なインテリ家族のみならず、戦後の日本人の「家族」というものの、あまりにも戯画的な空洞の象徴といえるのではないだろうか。――<「解説」より>

箱庭

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