堀辰雄覚書・サド伝

著:遠藤 周作
定価:1,430円(本体1,300円)

日本人にとってキリスト教信仰はいかに可能か、という問題意識のもと、戦時下より親交のあった堀辰雄の作品を対象に、その純粋性から宗教性へ、さらには古典的汎神論の世界へと考察を深めた最初期の評論「堀辰雄覚書」、また、リベルタンとしての歩みを進めることで、キリスト教規範と闘い、性と自由の先見的な思想を掴んだサドを赤裸に描いた「サド伝」を収録。著者の表現の根幹を知るための貴重な一書。


神とは何か。悪とは何か。

日本人にとってキリスト教信仰はいかに可能か、という問題意識のもと、戦時下より親交のあった堀辰雄の作品を対象に、その純粋性から宗教性へ、さらには古典的汎神論の世界へと考察を深めた最初期の評論「堀辰雄覚書」、また、リベルタンとしての歩みを進めることで、キリスト教規範と闘い、性と自由の先見的な思想を掴んだサドを赤裸に描いた「サド伝」を収録。著者の表現の根幹を知るための貴重な一書。

山根道公
2つの長篇評論「堀辰雄覚書」と「サド伝」の底流にあるそれぞれのテーマすなわち「日本人とキリスト教」と「悪の問題」については、遠藤文学の根幹を貫くテーマとして、小説の世界でさらに深く追究されていく。(中略)遠藤の文学的生涯を俯瞰するとき、その前半期に評論家の顔をもっていた遠藤が力を傾けた2つの長篇評論「堀辰雄覚書」と「サド伝」が、遠藤文学の根底を流れる2大テーマの源泉に位置する評論として逸することのできない作品であることは理解されよう。――<「解説」より>

※本書は、新潮社刊『遠藤周作文学全集』第10巻(2000年2月)、第11巻(2000年3月)を底本とし、明らかな誤植と思われる箇所は正しましたが、原則として底本に従いました。

堀辰雄覚書・サド伝

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