囚われの歌姫 ~政変はウードの調べ~
この国の第二宰相の娘でありながら、義母と異母妹に虐げられて暮らすセルマは、まるで使用人のように扱われていた。そんな日々のなか、少年になりすまし、街の珈琲館で楽器ウードを弾くことだけが、彼女生き甲斐だった。ウードは、母の大切な形見なのだ。だが、いつものように屋敷を抜け出したある日のこと、珈琲館で出会った男に拉致され、乱暴に犯されそうに……。
エルトゥールル帝国の第二宰相の娘セルマは、義母と異母妹に虐げられ、使用人のように暮らしていた。そんな彼女の生き甲斐は、少年になりすまし、街の珈琲館でウードを弾くことだった。ウードは母の形見なのだ。いつものように屋敷を抜け出したある日、セルマは珈琲館で出会った男に、間者と間違えられ拉致されてしまう。怯えるセルマだったが、男の正体を知るにつれ、彼女の心は揺れ動いていく――。
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