ケシゴムは嘘を消せない

著:白河 三兎
定価:726円(本体660円)

離婚届に判を押しアパートに帰りひとりで「離婚式」を敢行中、突然空気の塊が横切る。男は姿の見えない人の形を手のひらで確認し「暇なら飲まないか」と誘い、二人は意気投合する。透明で姿の見えない女は、大きな「組合」に自分が追われていると告げ、二人の奇妙な同棲生活が始まる。一行先も予測不可能、「せつなさの魔術師」による傑作ファンタジック・ラブストーリー。


家に突然現れた透明人間の美女
透明美女と別れた妻と・・・先の見えない恋と人生の行方は!?

離婚届に判を押しアパートに帰った晩、信彦はひとりで「離婚式」を敢行。ビールでぐでんぐでんに酔っ払っていた。元妻・加奈子と元妻の連れ子の悟のことが頭から離れない信彦の前を、突然空気の塊が横切る。その空気に左手を突っ込んでつかんだのは確かに女の手首の感触だ。姿の見えない人の形を手のひらで確認し「暇なら飲まないか」と誘う信彦。意気投合して深酒した二人だが、翌朝、女は信彦―ノブの首筋に出来たキスマークをいともたやすく消す。女は透明人間の上に、何でも消せる特殊能力を持っていた。出社して元妻に、昨晩は透明人間と飲んだと報告するノブ。アパートでノブの帰宅を待っていた透明女は、大きな「組合」に自分が追われていると告げる。組合の追っ手は消されたものが見えるので、組合から透明にさせられた女はアパートの外に出られないのだという。ノブは女を「タマ」となずけ、二人の奇妙な同棲生活が始まる。連れ子の悟へのぎくしゃくしたノブの愛情、シングルマザーの加奈子の矜持、悟の健気さ、透明女と謎の「組合」……一行先も予測不可能、「せつなさの魔術師」による傑作ファンタジック・ラブストーリー。

ケシゴムは嘘を消せない

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