歌うクジラ(上)
現代社会の壮絶な行方を目撃せよ。
二〇二二年、ハワイの海底を泳ぐザトウクジラから、人類は遂に不老不死遺伝子を発見する。だがその百年後、人間は徹底的に階層化され、政府の管理下に置かれていた。流刑地に住む十五歳の少年アキラは、人類の秘密を握るデータを託され、悪夢のような社会を創造した人物に出会うため、壮絶な旅に出る。
もし自分がアキラだったら、どこまでもちこたえられるか。どの段階で投げてゆだねてしまうか、考えてみてほしい。投げたことを最後の最後に自分がどう思うだろうか? ということも、考えてみてほしい。その思考は必ず後にあなたを救うだろう。(巻末「なんのためにでもなく」より)――よしもとばなな
第52回毎日芸術賞受賞作
書店によって取り扱いがない場合もございますので、あらかじめご了承ください。電子書籍での価格は紙の本と異なる場合がありますので、詳しくは各電子書店でご覧ください。