みちたりた痛み
「いろいろな物事を手にすればするほど、強烈な飢えが湧いてきた」。のし上がる男、堕ちていく女、金に飽いた女、老いていく男……東京の街で出会い、別れ、再会する男女が繰り広げるせつない物語。テーブルの上を行き来する、恋と野心と死の予感と――。実在するレストランの名を冠した連作短篇8編を収録。(講談社文庫)
私は、いったい、何が欲しいんだろう――。
実在のレストランの名を冠した物語 男女の愛と恋と野心が交錯する……!
「いろいろな物事を手にすればするほど、強烈な飢えが湧いてきた」。のし上がる男、堕ちていく女、金に飽いた女、老いていく男……東京の街で出会い、別れ、再会する男女が繰り広げるせつない物語。テーブルの上を行き来する、恋と野心と死の予感と――。実在するレストランの名を冠した連作短篇8編を収録。
できることなら誰だって、「アッピア」の主人公・川上のように、「退屈」を一種の娯楽だと自分に言い聞かせて暮らしてみたいと思うだろう。「ウエスト」「キャンティ」に登場する英子のように<バックグラウンドやセンスといった金では手に入らないものをふんだんに持っている>女として年を重ねてみたいものだ、とも思うかもしれない。けれど、そうした登場人物を、読者がただ、うっとり夢見るようには描かないのが、著書である甘糟さんの強みだ。――<藤田香織・解説より>
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