本居宣長『古事記伝』を読む 4

著:神野志 隆光
定価 : 本体1,800円(税別)

日本史上に名を残す名高い著作でありながら、あまりに厖大で誰も読み通せない本居宣長の『古事記伝』。その全44巻を細部まで詳細に、丁寧にわかりやすく、解説し尽くした未曾有のシリーズ、ついに完結! 第4巻は、「聖帝」仁徳天皇と大后石之日売命の嫉妬、軽太子・軽大郎女の禁じられた恋など、歌物語を中心に展開する。宣長が読み、現しだした古事記の世界とは。


応神天皇の三人の御子の皇位継承争い。継承した大雀命(仁徳天皇)が寵愛する八田若郎女と大后石之日売命の嫉妬。軽太子・軽大郎女の恋。――第4巻は、応神天皇から推古天皇までをあつかうが、その中心は、歌物語による、嫉妬や争いのうずまく古代世界です。そこで宣長が示す読みとは?
本居宣長の主著『古事記伝』は、『古事記』を日本最古の書物として再評価し、日本史のありかたに決定的な影響を与えた、歴史的な名著です。しかしながら、全44巻あり、しかもその内容は厖大多岐にわたり、とても読み通せるものではありません。本当に全巻読み通した人は数えるほどしかいないのではないでしょうか。
ところが、よく読むと、じつは非常に面白いのです。まずは、なんでも実証しようとする態度。『古事記』本文のひとつひとつの言葉に注釈を与えようとするのですが、その解釈は、かならず 証拠を持ち出して行おうとします。そのためには、『日本書紀』だろうと『万葉集』だろうと、ありとあらゆる文献、資料を持ち出してくる。あくまで解釈であって、現代によくあるようなたんなる学者の感想ではありません。
ただ、たまには、いろいろな解釈の可能性と証拠をしめしたあとで、いきなり「まさりてきこゆる」(理由はないが、こっちがいいような気がする)と、おちゃめな結論を出したりもする。
宣長といえば、「漢意(からごころ)批判」です。『日本書紀』には、中国的なものが入っており、それを「漢意」として排す。『古事記』にこそ、本来の日本の古代が書かれている、と主張しました。それは、右翼的な、日本至上主義にも結びつきやすい一面をもっていました。
しかし、『古事記伝』の著者の本質は、そのようなたんなるイデオローグではないのです。とにかく、徹底的に解釈しきる。その先に、日本の古代のすがたが見えてくるはずだと考えたのでした。
本シリーズは、煩雑・厖大であるがゆえに、誰もが名のみ知り、ふれることのすくない『古事記伝』の世界を、全44巻すべて、読み、解説する、という画期的なシリーズです。
第4巻で、ついに完結。最後の推古天皇までたどりつきました。
『古事記』はイザナギ・イザナミ神話だけではありません。『古事記伝』があらわしだす『古事記』の世界を、最後まで楽しんでください。

本居宣長『古事記伝』を読む 4

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