スリーパー 浸透工作員 警視庁公安部外事二課 ソトニ
東京で暮らす就活中の青年・倉本龍哉。だが彼の名前や戸籍は「ある国家」に与えられたものだった。エリート工作員として日本社会に「浸透」(チムツ)する日々。だが故郷の母に頼まれたひとつの願いが運命を変えていく。一方、上層部に巣食う潜入者を追い、警察組織を追われた外事二課の元エース・筒見慶太郎は、バングラデシュのスラムで罠にかかり殺人の嫌疑をかけられる。交錯する二人の運命。激闘の果てに知る驚愕の真実とは。
母上様、あなたはどうして日本を捨て、北にやってきたのですか――。
報道記者としても活躍する著者が放つ、リアル諜報ミステリ。
東京で、就活中の大学院生として、ごく普通の生活を送る青年・倉本龍哉。
だが、彼の名前や戸籍、経歴は、すべてある国家によって用意され、与えられたものだった。
豊かで平穏な日本での日常と、家族の暮らす祖国のギャップ。エリート工作員としての誇り。周囲には決して悟られぬよう、日本社会に「浸透」(チムツ)する緊張……。
だが母親から、「日本でしてほしい」と頼まれた、ある願いが龍哉の運命を変えていく。
一方、「公安警察の狂犬」として外国スパイに恐れられながら、日本の上層部に巣食う潜入者=モグラの影に切り込み、警察組織を追われた外事二課のエース・筒見慶太郎は、指令を受けて訪れたバングラデシュ・ダッカのスラムで罠にかかり、殺人の嫌疑をかけられる。
交錯する筒見と龍哉の運命。日本と北朝鮮、対立する国家の狭間で引き裂かれた人々の思い。激闘の果てに、ふたりが辿り着いた驚愕の真実とは。
「目を醒ませ。本当のお前は、誰なのか――」
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