陶炎 古萩 李勺光秘聞

著:鳥越 碧
定価:1,870円(本体1,700円)

後に萩焼の祖となる李勺光は、文禄の役で捕まり日本に連行された陶工だった。その身を預かることになった毛利家では、彼を特別な待遇で迎えた。朝鮮での戦いで夫を亡くしたばかりの志絵を世話係に任命したのだ。夜伽も務めるその任に志絵は屈辱を覚えるが、武家の娘として従容と受け入れる。捕虜の陶工を志絵はどのように支えたのか。関ヶ原の合戦で時代は豊臣から徳川へ。激動の世を生き、一人の陶工に身を捧げた女の運命とは!


豊臣秀吉が朝鮮を攻めた文禄の役。後に萩焼の祖となる李勺光は、そのとき朝鮮で捕まり日本に連れてこられた陶工だった。その際、秀吉の命で毛利家がその身を預かることになる。茶器が戦国武将たちに珍重されていた当時、毛利家では彼の造る焼き物を国の特産品とすべく、勺光を捕虜としては別格の待遇で迎えようとした。朝鮮での戦いで夫を亡くしたばかりの志絵を世話係に任命したのだ。志絵は毛利家・三美人の一人と言われ、夜伽も務めなければならないその任命に屈辱すら感じるが、武家の娘として従容と受け入れる。それから、志絵の煩悶がはじまる。毛利家中と勺光をつなぐ連絡係を務める青年武士・弘太郎に一目惚れしてしまったのだ。作品作りに打ち込む陶工と、若き家人との間で揺れ動く志絵の心。時代も大きく動き、関ヶ原の合戦で敗れた毛利家は、八ヵ国から二ヵ国に大幅減封され、勺光の窯場も萩の地へ移動を迫られるが……。

陶炎 古萩 李勺光秘聞

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