逆境エブリデイ

著:大川 弘一
定価:1,540円(本体1,400円)

ドイツ、インド、スペイン、韓国、イタリア、フランス、カンボジア、アメリカ縦断、そして横断一人旅。まぐまぐ創業者大川弘一がフルスピードで駆け抜けた400日間全記録。旅を愛する人や起業を志す若者へ、決してオススメできない逆境ツアーはこちらです。「あんた、今どこにいるのよ」(母)


〈働く〉ということは競争だ。
 でも〈生きる〉ということは競争か?

震災が起こり、友が収監され、自分も訴訟に敗れ……。
その頃、まぐまぐ創業者の「僕」は何をしていたのか?

――本気の「ポーカーツアー」で世界を転戦していた!

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 僕がポーカーを始めたのは40歳のころ。
 リーマンショックによる自社への投資計画の中止に遭い、先に着手していた設備投資に引き充てるための資金繰りにぐるんぐるんに振り回されていた時期だった。
 そのころ必要だった金は8億円。一斉に中止された投資の総額が15億円。
 もともとパソコン一台からスタートした《ビジネス》がここまでシッチャカメッチャカになったところに元役員からの執拗な訴訟も重なって、前厄の沼に肩まで浸かった日々が続いていた。
 インターネットで無料サービスを提供することで〈誰からも奪うことなく〉発展してきたはずの〈ビジネス〉は、リアルな環境の劇的な変化に対してはあまりに脆く、その脆さはそのまま僕自身の弱点を如実に投影した姿でもあった。
 幸い、8億円はなんとか借入と増資で調達したものの、その時期のぬかるんだ長い経験から得た前向きな能力は特になく、逆に〈会社〉というものが人間に突きつけるいくつもの不自由に直面した結果、無邪気な努力をもう一度はじめることさえ戸惑うようになっていた。
 モノの値段が下がり、地震が起き、日本中からあらゆる労働がケムリのように消え失せていくこの時代、人間が生きていくということはこの先どこまで変わるのか。
 我慢をすることや不良品を出さないことの値打ちが坂道を転がるように下がる中、これから先、俺は何を頑張ればいいんだよ。

 そんな絶望とヤケクソだけを燃料に、僕は友人に勧められるまま、放蕩で貯まったマイルで旅に出た。
(本書「まえがき」より)

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総移動距離96,000キロメートル!
ドイツ、インド、スペイン、韓国、イタリア、フランス、カンボジア、アメリカ縦断、そして横断一人旅。
まぐまぐ創業者大川弘一がフルスピードで駆け抜けた400日間全記録。
旅を愛する人や起業を志す若者へ、決してオススメできない逆境ツアーはこちらです。

逆境エブリデイ

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