会話のつづき ロックンローラーへの弔辞

著:川崎 徹
定価:1,760円(本体1,600円)

「腹減った、のど渇いた、死にそうだぁ」。「バン!」。男が口で言った銃声に、女はのけぞって言った。「こんな日に死ねて嬉しいぜ、感謝します!!」。列にいた若い男女の会話である。故人に似せた言い回しと原色で着飾ったふたりの悲しみとは程遠いやりとりの方が、ロックンローラーを送る言葉としてはふさわしく思えて、嗚咽混じりの弔辞から目を外し忘れないうちにと走り書きした。


「いま、この時期に、この人(川崎徹)が、この人(忌野清志郎)の死について書いた。非常に目立たない、非常に深い仕事である。タイトルの静かさによって読まれる機会を減じるべきではない」――菊地成孔氏

「腹減った、のど渇いた、死にそうだぁ」
「バン! 」
男が口で言った銃声に、女はのけぞって言った。
「こんな日に死ねて嬉しいぜ、感謝します!! 」
列にいた若い男女の会話である。故人に似せた言い回しと原色で着飾ったふたりの悲しみとは程遠いやりとりの方が、ロックンローラーを送る言葉としてはふさわしく思えて、嗚咽混じりの弔辞から目を外し忘れないうちにと走り書きした。――<本書より>

会話のつづき ロックンローラーへの弔辞

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