弱い神

著:小川 国夫
定価:4,180円(本体3,800円)

弱いがゆえに、神の言葉は強い。自らの死の直前まで、作家が求めつづけた永遠の問い。20年の歳月をかけ完成した小川国夫文学の最高傑作。

ここで是非触れておきたいのは、死者にあてて文章を書くことです。死者も読者であり得るでしょうか。言うまでもなく、あり得ます。……この場合、私は自分で喋るよりも、主として相手に質問するでしょう。相手の言葉を呼び出そうとして、それから耳を澄ますのです。……その気になって働きかければ、返事を引き出せると私は思っているのです。……このようにして、小説家は亡くなった友達とやり取りができる、と私は信じています。聞こえるのは相手の声ですから、私がこしらえた言葉ではありません。――<本文より>

弱い神

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