異物

著:玄月
定価:1,980円(本体1,800円)

自己存在を安穏と肯定できぬ者の焦燥と破壊。かつて住民の半数が朝鮮人だった町。そこで育った者と、新たに半島から移り住む者とのイントレランスな状況から「事件」は起こった。謎を追い疾走する傑作長編。


自己存在を安穏と肯定できぬ者のあまりにも危険な焦燥と破壊
凄絶に疾走する長編小説

町には、この十数年のあいだに、韓国や中国東北部の朝鮮族自治州からきた人たちもかなりの数住み着いた。かれらは不況の日本でもとくに深刻な大阪で、しぶとく小金を貯め、日本人や在日韓国人と結婚して堂々と家を持つ。この町は昔から、少なくとも80年前には住人の半数近くが朝鮮人であった。かれら5人にしても、日本人ふたり、在日韓国人二世がひとり、三世がひとり、朝鮮籍の二世がひとりという構成で、みんなこの町で生まれ育ったのだ。――<本文より>

異物

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