こうちゃんとぼく
こうちゃんなんか転校してこなければよかったのに――なんでも一番だったぼくがはじめて抱く嫉妬の感情。友情と成長をえがいた物語。長年、学校教育にたずさわっていらしたくすのきしげのり氏ならではの作品です。はじめて抱く嫉妬の感情をうけとめる少年の気持ちを、やわらかく受けとめた、心温まる友情と成長の物語をどうぞお楽しみください。
「ぼく、『やまの こうさく』です。よろしくおねがいします。」
十月。
ぼくらのクラスにてんこうせいが、やってきた。
○
こうさくくんは、まえにかよっていた小学校のせいふくを、それも、こうさくくんのからだよりもすこし大きなせいふくをきていた。
ぼくは、せきがえでこうさくくんのとなりになった。
先生から、しんらいされているようで、すごくうれしかった。
ぼくは、はりきってこうさくくんに、いろんなことを教えてあげた。
でも――。
こうさくくんが、「こうちゃん」とよばれるようになり、どんどんクラスのにんきものになると、だんだんとおもしろくなくなっていってしまう。
これまでは、ぼくがなんでもいちばんだったのに。
ふたりですることになった、がくしゅうはっぴょうかいでのしかいのれんしゅうちゅう、こうちゃんに、むしゃくしゃしたきもちをぶつけてしまったぼくは、おもわずがっこうをとびだしてしまった。
ちゃんと、あやまりたい。
どうすれば、なかなおりできるかな??
○
長年、学校教育にたずさわっていらしたくすのきしげのり氏ならではの作品です。はじめて抱く嫉妬の感情をうけとめる少年の気持ちを、やわらかく受けとめた、心温まる友情と成長の物語をどうぞお楽しみください。
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