私本太平記(三)

著:吉川 英治
定価:880円(本体800円)

後醍醐の切なるご催促に、楠木正成は重い腰をもち上げた。水分(みくまり)の館(たち)から一族500人の運命を賭けて――。すでに主上は笠置落ちの御身であった。また正成も、2万の大軍が取り囲む赤坂城に孤立し、早くも前途は多難。一方、正成とはおよそ対照的なばさら大名・佐々木道誉は幽閉の後醍醐に近づき、美姫といばらの鞭で帝の御心を自由に操縦しようとする。かかる魔像こそ、本書の象徴といえよう。


二万の大軍が取り囲む赤坂城に孤立した正成。後醍醐帝の切なるご催促に、一族五百人の運命を賭けて、重い腰をもち上げた正成であったが、早くも前途は多難。一方、佐々木道誉は幽閉の後醍醐帝に近づいていく。

私本太平記(三)

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