新・平家物語(十二)
一ノ谷の合戦から屋島の合戦までには、1年の月日が流れている。さきの合戦に大功をたてながら、なんら叙勲の沙汰もうけぬ義経。そしていったん任官後は、鎌倉に断りもなく、と不興を買い、平家追討使の大役も範頼に奪われた義経。鎌倉どの差向けの花嫁も、彼の心を暗くする。だが、源氏は義経をまだ必要としていた。――西国攻めの範頼軍は備前児島に立往生し、平家軍が猛威をふるう。
一ノ谷から屋島へ、源平決戦の舞台は移る。さきの合戦で大功をたてながら、なんら恩賞もうけぬ義経。そして一旦任官後は、鎌倉に無断でと不興を買い、平家追討使の大役も範頼に奪われた義経。しかし……。
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