新・平家物語(十一)

著:吉川 英治
定価:880円(本体800円)

源氏の内輪もめが幸いして、都落ちした平家は急速に勢力を挽回していた。西海は一門の軍事力の温床、瀬戸内には平家の兵船が波を蹴たてて往きかい、着々と反攻の秋(とき)を窺っていた。わけて一ノ谷は天険の要害、平家自慢の陣地だった。加えて兵力では、平家は源氏の何倍も優位にある。しかし、地勢と時と心理とは、まったく平家に不利だった。義経軍の坂上からの不意打ちに算を乱して敗走する。


都落ちして半年、急速に勢力を回復する平家。西海は一門の軍事力の温床、瀬戸内には兵船が波を蹴てて往きかい、着々と反応の秋を窺っていた。わけて一ノ谷は天険の要害、平家自慢の陣地だったが……

新・平家物語(十一)

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