たんぽぽの花が咲いた、のどかな生田川沿いの町の病院。眼前の身体が突然見えなくなる奇病に冒された娘稲子を入院させて帰る母と、娘の恋人久野の口から語られたのどかさとは対極的な狂気と不思議な愛のかたち。『眠れる美女』『片腕』の後に執筆、その死で中断された川端康成最後の連載小説。文庫版初収録。
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