ちょっとおんぶ
小学校一年のつきちゃんはある日、じめんのもりあがりにつまずいてころんでしまいます。すると、じめんの中から「ちぇっ。」と小さい声が聞こえてきました。──もぐら、クマの子、あさり、きつね、とかげのしっぽ、などなど、ある日から急にいろいろな生き物たちの声が聞こえてくるようになってしまった女の子、つきちゃんのお話です。絵本を卒業したばかりのお子さんやよみきかせにもぴったり。
森のほうからホーホッホ、ホーと、フクロウのこえがきこえます。
いまは、よるのまん中です。いま、おきてフクロウのこえをきいている子はきっとわたしだけです。
「ホーホッホ、ホー。」
ふくろうのなきまねをしました。
「ねえ。」と、木のうしろからこえがしました。
なんだ、おきている子はわたしだけじゃなかったんだ、と、ちょっとがっかりしながら、「なに。」と、へんじしました。
「ぼく、つかれちゃったから。ちょっとおんぶ。」と、その子はいいます。
「ほんとにちょっとだけ?」というと、
「ちょっとだけでいい。」といいながら、くらい木のうしろから、くろいクマの子がでてきました。──本文より。
小学校一年のつきちゃんはある日、じめんのもりあがりにつまずいてころんでしまいます。すると、じめんの中から「ちぇっ。」と小さい声が聞こえてきました。──もぐら、クマの子、あさり、きつね、とかげのしっぽ、などなど、ある日急にいろいろな生き物たちの声が聞こえてくるようになってしまった女の子、つきちゃんのお話です。絵本を卒業したばかりのお子さんやよみきかせにもぴったり。
小学館文学賞、野間児童文芸賞、産経児童出版文化賞大賞など数々の賞を受賞している児童文学作家、岩瀬成子氏と、ラガッツィ賞受賞、ボローニャ国際絵本原画展入選など国際的にも評価の高い絵本画家、北見葉胡氏との美しいコラボレーション作品です。
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