琅邪の鬼
2010年、講談社ノベルスが自信をもって世に送り出す大型新人・丸山天寿の、面白さ極めた痛快冒険活劇!
琅邪(ロウヤ)とは……古来より「あやかしの町」と呼ばれた中国大陸の東端・山東半島にある港町。その海には、目には見えるが決して近付くことのできない浮島が時に出現し、人々は仙薬を飲む「神仙」たちが住む島であると信じていた。中国を統一した秦の始皇帝は、不老不死の仙薬を手に入れるため、方士(医術・易占を行う者)・徐福(じょふく・歴史上の人物)に命じて、この町に研究所「徐福塾」を作らせた。
(あらすじ)琅邪山にある徐福塾に、希仁(求盗=警察官・きじん)から「大商人・西王家(さいおうけ)の家宝を盗んだ鬼を調べてほしい」との依頼がもたらされた。徐福の弟子・残虎(巫医・ざんこ)と安期(易者・あんき)が調査に向かうが、真相に辿りつけぬまま、彼らは奇怪な連続事件に巻き込まれていく。美女怪死、甦る死体、一夜にして消失する屋敷……。
町の治安を取り戻すべく、残虎、安期、狂生(剣士・きょうせい)、桃(狂生の妻・とう)、無心(知恵者・むしん)ら徐福の弟子たちが立ち上がった! 医術、易占、剣術、推理……各々の能力を駆使した末、次々と明らかになる事件の真相と、鬼の正体。
そして、伝説の方士・徐福と鬼が対決するクライマックスへ!!
多彩な登場人物、手に汗握る攻防、緻密な謎解き、そして圧倒的な情報力!
【著者の言葉】
ほら吹きおやじと人から呼ばれます。
実はそれを少し自慢に思っています。
小説とは煎じ詰めれば、ほら話ではないでしょうか。
万人が溜息をつくような、
素晴らしいほらを吹きたいものです。
丸山天寿
【著者略歴】
昭和29年6月 長崎県生まれ
昭和48年 福岡県立八幡南高等学校卒業
昭和49年 陸上自衛隊勤務
昭和62年 古書店「天寿堂書店」経営
ライフワークである邪馬台国研究を進めるうち、
自身初の小説となる『琅邪の鬼』を着想。
視覚障害を抱えつつも執筆を進め、
第44回メフィスト賞を受賞する。
※この製品は、品切重版未定となっております。