藤原氏千年

著:朧谷 寿
定価:924円(本体840円)

始祖・鎌足から不比等、良房らをへて道長に至り、ついに満天に輝く望月となった藤原一族。権謀、栄華、零落、風雅、伝統…。今に伝わるその足跡をたどる。

兄弟の熾烈な争い――伊尹死去の天禄3年(972)、兼通の権中納言に対して兼家は大納言になっていた。このような同母兄弟間での官位の逆転は異例と言える。この状況からすれば、伊尹の後継者には上位の兼家が有力と、誰しも思ったであろうし、その可能性は大きかった。しかし、実際に関白の座についたのは兼通のほうであった。そのいきさつを『大鏡』に見ると……。兼通は、いずれ弟に追い抜かれることを見越してか、円融天皇の母である妹の安子皇后から生前に「関白をば、次第のままにせさせ給へ、ゆめゆめたがへさせ給ふな」(関白職は兄弟の順にご任じなさいますように、決して違えてはなりませぬ)と書いてもらい、これを御守りのように大切に首にかけて持ち歩いていた。そして、伊尹の死に際して円融天皇の御所に行って示した結果、これが実現したのだという。……このようにして弟に勝った兼通は、いとこの右大臣藤原頼忠を補佐役として政治をおし進めた。この体制で5年目が終わろうという時に兼通は重病に陥った。ここで『大鏡』は、またもや兄弟の熾烈な争いを伝えている。――本書より

藤原氏千年

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