英語の歴史

著:中尾 俊夫
定価:924円(本体840円)

一人称を「I」と書くのはなぜ?ノルマンの征服とフランス語の流入、18世紀の学校文法の完成など、文法・発音・語形・語彙がいかに変化してきたかを豊富な例とともに解説する。

It is me.とIt is I.――今日の口語では「私です」というとき、it is I.の代わりにIt is me. という。しかし14世紀を境にして、それ以前と以後ではまったく違った構造をしていた。すなわち、それ以前ではIt am I.といった。この文の主語は明らかにItではなくIである。しかも「補語+動詞+主語」という奇妙な語順をとっている。この文の主語がIであるというのは古英語以来の構文を受け継いだ結果で、古英語ではI it am.といっていた。つまり中英語期のIt am I.は古英語の主語Iを動詞の後ろに移動してできた構文なのである。It am I.は語源の確立とともに動詞の前は主語の領域と感じられてきて、だんだんItが主語と解されamがisに変わった。同じように動詞の後ろは目的格の領域と感じられてきたために、isがbe動詞であるにもかかわらず、他動詞であるかのようにIはmeへ変化した。――本書より

英語の歴史

書店によって取り扱いがない場合もございますので、あらかじめご了承ください。電子書籍での価格は紙の本と異なる場合がありますので、詳しくは各電子書店でご覧ください。

書店在庫を見る

オンライン書店で見る

ネット書店
  • Amazon
  • e-hon
  • HMV&BOOKS online
  • 紀伊國屋書店
  • セブンネットショッピング
  • TSUTAYA ONLINE
  • honto
  • Honya Club
  • 楽天ブックス