蜻蛉日記(下)
「尼に」と決意の山寺籠りも、兼家に「あまがえる」とからかわれる結果となった。兼家の訪れは、いつか夢の中にさえ、とだえた。身の衰えを嘆き、求めることを諦めた心。一方、昇進し恋をする道綱。暮れ果つる日にはなりにけり──と陽炎の、あるかなきかの心地をさすらった半生に筆をおく。時に作者・藤原道綱母は40歳、という。川瀬一馬の校注・現代語訳でお届けする、平安時代の傑作自叙伝。<上中下全3巻 下巻>
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