疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた
2023年に日本人10万人を対象に実施した調査によると、じつに78・5%の人が「疲れている」と答えたという。だが欧米では、「疲れているのに働く」ことは自己管理ができないだらしない行為と見なされるため、疲労の科学的な研究は軽視されてきた。「疲労」が美徳とされ、お互いを「お疲れさま」と称えあう特異な国だからこそ、日本の疲労研究は世界のトップを走っている。本書は、その日本で疲労研究をリードする著者が、数々のノーベル賞級の新研究をなしとげて見えてきた、疲労の驚くべき実像を明らかにするものである。
◆どれだけ疲れているかは、唾液中のヘルペスウイルスの数でわかる!
人類のほとんどが幼いころに感染する「ヒトヘルペスウイルス6」は、その後、潜伏感染しているが、宿主が疲労すると、 逃げ出そうとして口中に出てくる。
◆うつ病は、疲労とウイルスから生じる遺伝子が原因である!
うつ病の原因は「心の弱さ」ではない。疲労が高じ、ヒトヘルペスウイルス6が再活性化することで、うつ病の原因遺伝子が発現する。この遺伝子を発見した著者は、ダークサイドの力を操る『スターウォーズ』の暗黒卿にちなんで「SITH-1」(シスワン)と命名した。
◆新型コロナ後遺症は、うつ病と同じ病的疲労の症状だった!
世界で数億人にのぼる新型コロナ後遺症の患者は、うつ病患者と同じように脳内炎症を起こしている。その研究から、いま世界で疲労研究が活気を帯びてきている。
◆病的な疲労を起こす脳内炎症を消火する物質こそが、疲労対策のカギである!
SITH‐1は、その物質の「消火機能」を阻害してしまう。
◆そのほか、栄養ドリンクの飲みすぎはなぜ危険なのか、軽い運動はなぜ疲労を軽減するのか、トレーニングのしすぎはなぜうつ病の原因になるのか、など本当に役に立つ知識も満載!
◆おもな内容
序 章 疲労を科学するには
第1章 生理的疲労とはなにか
第2章 慢性疲労症候群 病的疲労の代表格
第3章 うつ病 究極の病的疲労
第4章 新型コロナ後遺症 見えてきた病的疲労の正体
第5章 ついにすべてがつながった
第6章 人類にとって疲労とはなにか
書店によって取り扱いがない場合もございますので、あらかじめご了承ください。電子書籍での価格は紙の本と異なる場合がありますので、詳しくは各電子書店でご覧ください。