透明人間の納屋

著:島田 荘司
定価:576円(本体524円)

昭和52年夏、密室状態のホテルの部屋から一人の女性が消え失せ、海岸で死体となって発見された。孤独な少年・ヨウイチの隣人で、女性の知人でもあった男は「透明人間は存在する」と囁き、納屋にある機械で透明人間になる薬を作っていると告白する。混乱するヨウイチ。心優しき隣人は犯人なのか? やがて男は外国へ旅立ち、26年後、一通の手紙がヨウイチのもとへ届いた。そこには驚愕の真相が記されていた! (講談社文庫)


昭和52年夏、日本海側のとある町。母子家庭に育った少年・ヨウイチは、友達に恵まれず孤独な毎日を送っている。そんな彼が唯一心を開き、尊敬しているのが、印刷業を営む隣人・真壁さんだ。心優しき真壁さんもヨウイチとその母に心を寄せ、ヨウイチにさまざまな話をしてくれる。外国には、花が咲き誇り、貧富の差もいっさいない理想郷が存在すると説き、お母さんも連れて一緒に行こうと誘う。その一方で、「透明人間はこの世にいるんだよ」などと不思議な話をすることもあるのだ。そうしたなか、密室状態のホテルの部屋から女性が消え失せ、海岸で死体となって発見されるという不可解な事件が起きる。被害者の女性は真壁さんのところへ出入りしていて、ヨウイチも見知った人だった。世間が事件の謎をめぐって騒ぎ出していたさなか、ヨウイチは真壁さん宅の納屋にある印刷機に興味を持ち、動かしてくれるようにねだるが、真壁さんはいつになく表情を固くし、じつはこの機械で透明人間になる薬を作っていると告白する。混乱するヨウイチ。真壁さんは殺人事件の犯人なのか? 疑念は深まり、ヨウイチは真壁さんに厳しい言葉を投げつけてしまう。やがて真壁さんは印刷業を人手に渡し、外国へ旅立っていく。そして26年後、一通の手紙がヨウイチのもとへ届いた。そこには驚愕の真相が記されていた!

透明人間の納屋

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