白い衝動

著:呉 勝浩
定価:1,760円(本体1,600円)

スクールカウンセラーとして働く奥貫千早のもとに現れた高1の生徒がこう語りだす。「人を殺してみたい。できるなら、殺すべき人間を殺したい」。そして千早の住む町に、連続一家監禁事件を起こした入壱要が暮らしていることがわかる。殺人衝動を抱える少年犯罪加害者……そして、夫婦。はたして人間は、どこまで「他人」を受け入れられるのか。社会が抱える悪を問う、祈りに溢れた乱歩賞作家渾身の書き下ろし長編。


小中高一貫校でスクールカウンセラーとして働く奥貫千早のもとに現れた高校1年の生徒・野津秋成は、ごく普通の悩みを打ち明けるように、こう語りだす。

「ぼくは人を殺してみたい。できるなら、殺すべき人間を殺したい」

千早の住む町に、連続一家監禁事件を起こした入壱要が暮らしていることがわかる。入壱は、複数の女子高生を強姦のうえ執拗に暴行。それでも死に至らなかったことで、懲役15年の刑となり刑期を終えていた。

「悪はある。悪としか呼びようのないものが」

殺人衝動を抱える少年、犯罪加害者、職場の仲間、地域住民、家族……そして、夫婦。
はたして人間は、どこまで「他人」を受け入れられるのか。

社会が抱える悪を問う、祈りに溢れた渾身の書き下ろし長編。

白い衝動

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