最果てアーケード
ここは、世界でいちばん小さなアーケード――。
愛するものを失った人々が、想い出を買いにくる。
小川洋子が贈る、切なくも美しい記憶のかけらの物語
天井は低く、奥行きは限られ、ショーウインドーは箱庭ほどのスペースしかない。そのささやかさに相応しい品々が、ここでは取り扱われている。使用済みの絵葉書、義眼、徽章、発条(バネ)、玩具の楽器、人形専用の帽子、ドアノブ、化石……。どれもこれも窪みにはまったまま身動きが取れなくなり、じっと息を殺しているような品物たちばかりだ。――<本文より>
※本書は、「BE・LOVE」連載コミック「最果てアーケード」の原作として書き下ろされたものです。
※この製品は、品切重版未定となっております。