虹の彼方に

著:高橋 源一郎 解説:矢作 俊彦
定価:1,210円(本体1,100円)

1973年夏、東京拘置所。『カール・マルクス』『ウルトラマン』等、夢見る囚人達と所長『ハンプティ・D』の間で演じられる可笑しくも悲痛な思想劇。『さようなら、ギャングたち』『ジョン・レノン対火星人』と並び著者の原点を示す秀作。


夢見る囚人達VS.所長ハンプティ・D(ダー)。
言葉と暴力が吹き荒れた時代への弔歌。

――この一切をはじめたのは、ほんとうは誰なんだよ!!
――だからおれの夢の中に出てくる『虹の彼方に(オーヴァー・ザ・レインボウ)』だって言ってるじゃねえか。
1973年夏、東京拘置所。『カール・マルクス』『ウルトラマン』等、夢見る囚人達と所長『ハンプティ・D』の間で演じられる可笑しくも悲痛な思想劇。『さようなら、ギャングたち』『ジョン・レノン対火星人』と並び著者の原点を示す秀作。

高橋源一郎
もし、あの時、雑誌が廃刊されなかったら。もし、あの時、他に発表のあてがあったら。もしかしたら、ぼくは、さらに『虹』を書き続けていたかもしれない。いまもなお、誰からも忘れられても、ひたすら、「全世界」を表現するはずの小説を書き続けていたかもしれない。いまのぼくには「それは間違いだ」といえる。しかし、同時に、不可能なことを可能であると信じた、その頃の自分が、そしてその頃書き続けていた作品が、眩しく見えるのである。――<「著者から読者へ」より>

虹の彼方に

書店によって取り扱いがない場合もございますので、あらかじめご了承ください。電子書籍での価格は紙の本と異なる場合がありますので、詳しくは各電子書店でご覧ください。

書店在庫を見る

オンライン書店で見る