「三木卓 K」既刊・関連作品一覧

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三木卓 K

なぜ、こんなにも心にしみるのだろう……。

逝ってしまった妻・Kへの想い。
半世紀に及ぶある夫婦の物語。

円満とはいえなかった夫婦生活を、優しさとユーモアに溢れた眼差しで振り返るとき、そこにはかけがえのない「愛」と呼べるものがあった――。

Kは自分勝手でわがままで、心がせまくて、他人をおそれることはなはだしく、内に対しては横暴なやつだった。そんなやつのために、なんで泣いてやらなくてはならないのか。おまえはどうかしている。
「Kが……いたましい」
ぼくはやっといった。(略)そしてハンバーグを一きれ、また口の中に入れて、冷えたビールで流しこむと、ふたたびどっと涙があふれた。――<本文より>