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ちゃんちゃら

小説現代長編新人賞奨励賞受賞第1作

気鬱を払い、心を養う。庭ってのは不思議なもんだ。
江戸・千駄木町の庭師一家「植辰」に、千両の庭をこしらえる大きな仕事が舞い込んだ。だが、庶民に流行り病が猛威を振るい、武家と商家では謎の失踪事件が連続する。不穏な浮き世に、植辰の面々が立ち向かう。

<「植辰」に集う人々>
●辰蔵……作庭の腕は一流だが、酒好きでおっとりとぼけた親方
●お百合……男所帯をきびきび仕切っている、辰蔵の一人娘
●福助……池泉や流れなどの水読みに優れた庭師。元備前の侍
●玄林……穴太衆の末裔で、石の見立てや石組を得意とする庭師
●ちゃら……辰蔵に拾われて植辰で修業中の元浮浪児。「ちゃんちゃら可笑しいや」が口癖