内容紹介
ひょんなことから手に入れた大量の大麻の種子。落ちぶれた男にとって、それはギフトかトラップか? 金もツキも度胸もない、逃げ足だけは速い究極のダメ男が、タイと日本を疾走する。『狭小邸宅』『カトク 過重労働撲滅特別対策班』著者による、圧倒的悪漢小説(ピカレスク・ロマン)。
この小説には「最低最悪の奴(サーラレーオ)」しか登場しない。というか存在しない。いや、よく考えてみれば、おれたちの世界だってそうか。言ってやれ新庄耕。この世界に向かって。「くそったれ、サーラレーオ!」
――高橋源一郎氏
ひょんなことから手に入れた大量の大麻の種子。落ちぶれた男にとって、それはギフトかトラップか? 『狭小邸宅』著者による、圧倒的悪漢小説(ピカレスク・ロマン)!
日本人のカセは、バンコクでケチな西洋人に大麻を売って生計を立てている。恋人は浪費家のホステス。観光客を脅して小遣いをせびる強盗まがいの行為も慣れっこだ。あるとき幼馴染から、タイに来ているので会いたいと連絡が入る。「こっちでもバリバリやってるの? 聞いたよ、六本木で豪遊してたって」ああ、そうさ。あそこでヘマをしなければ、おれをコケにしてきた奴らを全員見返してやれたのに――。
金もツキも度胸もない、逃げ足だけは速い究極のダメ男が、タイと日本を疾走する!
目次
- 冷めた喧騒
- 甘い葉群
- 土色の川風
- 花影の光
製品情報
製品名 | サーラレーオ |
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著者名 | 著:新庄 耕 |
発売日 | 2018年08月23日 |
価格 | 定価 : 本体1,500円(税別) |
ISBN | 978-4-06-512457-4 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 162ページ |
初出 | 「群像」2018年5月号。単行本化に際し、大幅に改稿いたしました。 |