内容紹介
本書は、経済思想史を俯瞰したうえで、経済学でよく使われるキーワード(「市場」「競争」「均衡」「独占」「失業」「制度」「希少性」など)を再検討します。すると、経済学タームはかなりの多義性をもっていることが判明します。
経済学の現在から距離をとって、歴史的視野を持つことによって、さまざまな問題が存在したし、依然として存在することが見えてきます。
そういったなかで、最近過小評価されていると思われる「ケインズ革命」の意義や、市場至上主義を掲げるシカゴ学派の祖フランク・ナイトは、単純な市場主義者ではなかったりしたことに光をあて、経済思想の歴史を大きく振り返ります。
経済学の分野でも「多様性」は絶滅に瀕していますが、複雑な現実は、多様な思想なくしては理解できません。
経済学を学ぶ意義を改めて問い直します。
目次
- 学術文庫版まえがき
- まえがき
- 第一章 「市場メカニズム」について
- 「見えざる手」 市場メカニズムは万能なのか フリードマンの経済哲学 環境問題を解決するには 「潜在競争」こそが「独占」への対策 教育も市場 に委ねる フランク・ナイトの経済哲学 市場メカニズムの欠陥も考察 古典 派の「競争」と「均衡」 「合理的な愚か者」 科学としての経済学
- 第二章 社会主義崩壊の衝撃
- 資本主義の危機 『貧乏物語』の影響力 シュンペーターの資本主義減退論 ハイエクの知識論 「自由主義」vs.「計画経済」? 多様な「資本主義」を比較 する 「市場原理主義」の勝利?
- 第三章 『一般理論』は「革命」だったのか
- クルーグマンの『一般理論』序文 「ケインズ革命」再考 「正統派との訣別」 公共投資の合理的根拠 「ケインズから得るものはありませんでした」 ケイ ンズにおける「短期」と「長期」 貨幣の非中立性 『一般理論』は「長期雇用 理論」?
- 第四章 「ケインジアン」分裂の帰結
- 「新古典派総合」とは何か 「新古典派総合」の問題点 需給均衡に代わる 価格理論 方法論上の対立 自然失業率仮説と合理的期待形成 ケイン ズ経済学のゆくえ マーシャルのメッセージ
- 「あとがき」に代えて
- 経済学に学派は必要なのか 経済学の画一化をどう考えるか
- 索引
製品情報
製品名 | 経済学再入門 |
---|---|
著者名 | 著:根井 雅弘 |
発売日 | 2014年04月11日 |
価格 | 定価 : 本体740円(税別) |
ISBN | 978-4-06-292230-2 |
通巻番号 | 2230 |
判型 | A6 |
ページ数 | 200ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 原本「経済学とは何か」は、2008年に中央公論新社より刊行。 |
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