内容紹介
豊かに実る穀物を、収穫しては挽いてこねて焼く。
そうして出来た固形物を、本書は「パン」と定義する。
この「パン」作りを、人類は遥か五千年以上前から繰り返してきた。
古来から食べものそのものを意味する特別な存在だったパン。
メソポタミア文明から現代ヨーロッパまでを、膨大な資料と調査に基づいて一望する。
貴重な写真図版も多数収録。
世界各地・諸民族・各家庭で多種多様に継承された、パンの姿と歴史と文化が、この一冊に。
日本語で書かれた、ほぼ唯一の、パンの文化人類学。
目次
- はしがき
- ■序章 米偏世界へ渡来した異邦人
- ■第一章 パンとは何か
- 1 パンづくりとは何か
- 2 ムギ
- 3 無発酵パンと発酵パン
- ■第二章 パンの発酵
- 1 パンはなぜふくらむのか
- 2 パン種
- 3 「たねなしパンの祭り」
- 4 「最後の晩餐」のパン
- 5 発酵と不浄
- ■第三章 パン焼き
- 1 古代遺跡が語るパンの発達
- 2 古代人のパン焼きのくふう
- 3 中世のパン焼き
- ■第四章 パンを焼く村を訪ねて
- 1 パンを焼く村を訪ねて
- 2 パンの保存
- 3 パンと十字印
- ■第五章 パン文化の伝承
- 1 パン文化の伝承
- 2 嫁のパン焼きと姑のパン焼き
- 3 祭りの象形パン
- 4 民話の中の記憶
- 5 パン窯にまつわる暗い影
- ■第六章 貴族のパンと庶民のパン
- 1 中世の白パン社会と黒パン社会
- 2 パン屋
- ■終章 パンは何を意味してきたか
- 1 パンのほどこし
- 2 ある巡礼の古い記録から
- 注
- あとがき
- 図版リストとクレジット
- 参考文献紹介
- 索引
製品情報
製品名 | パンの文化史 |
---|---|
著者名 | 著:舟田 詠子 |
発売日 | 2013年12月11日 |
価格 | 定価 : 本体1,260円(税別) |
ISBN | 978-4-06-292211-1 |
通巻番号 | 2211 |
判型 | A6 |
ページ数 | 352ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 本書の原本は、1998年に朝日新聞社より刊行された。 |
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