内容紹介
悪性腫瘍の手術後、作家は最後になるかもしれない小説を書きはじめる。自分が確かに生きていたと思える、記憶に深く刻み込まれた情景をつなぎとめながら。世界というものをふいに感じた4歳の頃の東京・赤坂、小学時代を過ごした植民地・朝鮮の田舎町、京城の中学時代、焼け跡の中の旧制高校、特派員として赴いたソウル、そしてサイゴン。自伝と小説の間を往還するように描かれた、新しい試み。
鮮烈なイメージを喚起する新しい自伝の試み。幼少年期の赤坂、小中学生を過ごした植民地朝鮮、焼跡の大学、特派員として赴いたソウル、サイゴン。記憶に深く刻まれた情景を織り上げ、今も息づく過去を辿る。
製品情報
製品名 | 台風の眼 |
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著者名 | 著:日野 啓三 |
発売日 | 2009年02月12日 |
価格 | 定価 : 本体1,500円(税別) |
ISBN | 978-4-06-290042-3 |
判型 | A6 |
ページ数 | 352ページ |
シリーズ | 講談社文芸文庫 |
初出 | 新潮文庫「台風の眼」(1997年2月)を底本とし、振りがなを適宜加減した。 |