小学6年生の鈴木さえ。友だちもいっぱいいるし、ポートボールに情熱を燃やす楽しい毎日を過ごしていたのに、突然何かがずれ始めた。頭と身体がちぐはぐで、なんだか自分が自分でないみたいな気がする。それはいきなりやってきた頭痛といっしょに、さえの気持ちを不安にさせる。大人になったら、自分は特別な「何か」になることができるのだろうか?それまでの自分とは、まったくちがってしまった自分をみつめる、さえの『十二歳』の一年間を描く。第42回講談社児童文学新人賞受賞作品。
1970年生まれ。神奈川県小田原市在住。2002年、『十二歳』で第42回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。'07年に『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、第23回坪田譲治文学賞をダブル受賞。他の著書に『恋愛小説』『シロシロクビハダ』(ともに講談社)、『その青の、その先の、』(幻冬舎)、『坂道の向こう』『みきわめ検定』『枝つき干し葡萄とワイングラス』『ガミガミ女とスーダラ男』(以上講談社文庫)、『るり姉』(双葉文庫)、『かっこうの親 もずの子ども』(実業之日本社)、『どんまいっ!』(幻冬舎文庫)、『フリン』(角川文庫)、『ダリアの笑顔』(光文社文庫)など。
1982年生まれ。