尼僧とキューピッドの弓
ニソウトキューピッドノユミ

内容紹介
官能の矢に射られたわたしは修道女
熟年の女が第二の人生を送る修道院を訪れた作家。かしましい尼僧たちが噂するのは、弓道が引き起こした“駆け落ち”だった。時と国境を超えて女性の生と性が立ちのぼる、書き下ろし長篇小説。
「いなくなってしまった尼僧院長はどういう人でしたか。」……「あの人は適任でした。でも、あれだけの過程を経てせっかく雇われたのに、1年でやめてしまうなんて無責任です。」「どうしてやめられたんですか。」「知らないんですか。」「噂はいろいろ聞きましたが、本当のところはよく分からないままです。」「恋愛ですよ。恋に落ちたことは、わたしは個人的には非難しません。正直に言えば、」とそこまで言って、唇をおいしそうに嘗め、「やったぜ(クラツセ)って感じです」――<「遠方からの客」より>
講談社創業100周年記念出版
製品情報
製品名 | 尼僧とキューピッドの弓 |
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著者名 | 著:多和田 葉子 |
発売日 | 2010年07月25日 |
価格 | 定価 : 本体1,600円(税別) |
ISBN | 978-4-06-216328-6 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 242ページ |