絞首刑

内容紹介
かくして貴方は、そのボタンを押す――
「存置」か「廃止」か、ではない。描かれるのは、徹底的にリアルな風景だけ
2009年5月21日、裁判員制度が導入された。実際に市民が裁判員となって行われる刑事裁判は今夏、初めて開かれる。これで貴方も、どこかの誰かを死刑にする可能性を得た。
あなたは死刑に賛成か、反対か――。人が死刑を口にするとき、死刑制度について「存置」する考えか、それとも「廃止」派か、という二元論に陥りやすい。加害者の側に立とうが、被害者遺族の側に立とうが、常にどちらに立つのかが問われる。
だから本書は、その議論に欠落している「現場」に徹底的にこだわった。加害者本人や被害者遺族はもちろん、拘置所関係者、教誨師、検察庁幹部……。死刑に携わるありとあらゆる人間から話を聞いたうえで、その立場、立場の目線を、時に一人称でリアルに伝えた。4人を殺害した“少年”たちは、いま何を思うのか。そして、自らの手で死刑を確定させた男は、「死を受け入れたのだから、反省しない」という酷薄な論理を展開する。これらのリアルは、例の二元論を軽く飛び超え、新たな切っ先を我々に突きつける。
描かれるのは、執行のボタンを押すという「作業」のあられもないリアル、そして当事者が絞り出した彼らのみが知りうる心情。
論評を排し、乾いた目線で描かれる事実の持つ迫力は、死にかけた「ノンフィクション」という言葉への挑戦でもある。
製品情報
製品名 | 絞首刑 |
---|---|
著者名 | 著:青木 理 |
発売日 | 2009年07月26日 |
価格 | 定価 : 本体1,600円(税別) |
ISBN | 978-4-06-215551-9 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 258ページ |
初出 | 『月刊現代』2008年11月号、12月号、2009年1月号掲載記事「死刑執行 絞首台の現実(上・中・下)」、『現代プレミア』講談社MOOK 2009年5月刊行掲載記事「メイキング・オブ『死刑執行』」(「死刑執行 絞首台の現実」特別編、控訴を取り下げた死刑囚からの手紙」に大幅な加筆・修正を行った。 |
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