15歳、ぬけがら

ジュウゴサイヌケガラ
  • 電子あり
15歳、ぬけがら
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内容紹介

 母さんが茶色の紙袋を揺らしてる。
 ものすごく久しぶりのハンバーガー。ポテトもある。ドリンクも。つばが出てきて、ガツガツ食べて、ゴクゴク飲んだ。
「そんなにあわてて食べなくても」
 母さんは疲れた声で、でも、笑ってた。さびしそうに笑って、ビールをゴクリゴクリとのどに流しこんでいる。
 母さんはどうやってこのお金を作ったんだろう。
 想像したら、のどが詰まった。食べつづけることを拒否することも考えたけど、いいにおいと食欲に負けた。なにも考えないことにして、久々の味を楽しむ。
 すべてを味わいおえたあと、どうしようもなく苦しくなった。ゴミ袋と包み紙が、あたしに問いかけてくる。
 おまえは何者だ。なんで、平気で食べられるんだ。
 そしてまた、そう思うそばから別の自分が否定する。
 考えるな。考えたら生きていけなくなるぞ。
                                          ――本文より

  母子家庭で育つ中学3年生の麻美は、「一番ボロい」といわれる市営住宅に住んでいる。家はゴミ屋敷。この春から心療内科に通う母は、一日中、なにもしないでただ寝ているだけ。食事は給食が頼りなのに、そんな現状を先生は知りもしない。 夏休みに入って、夜の仲間が、万引き、出会い系とつぎつぎに非行に手を染めていくなか、麻美は同じ住宅に住む同級生がきっかけで、学習支援塾『まなび~』に出会う。
『まなび~』が与えてくれたのは、おいしいごはんと、頼りになる大人だった。

製品情報

製品名 15歳、ぬけがら
著者名 著:栗沢 まり
発売日 2017年06月20日
価格 定価 : 本体1,300円(税別)
ISBN 978-4-06-220601-3
判型 四六
ページ数 248ページ
電子版製品名 15歳、ぬけがら

著者紹介

著:栗沢 まり(クリサワ マリ)

作家。都留文科大学卒業。公立中学校で国語教諭として勤務後、塾講師、学習支援塾スタディアドバイザーなどを経験。本作は、第57回講談社児童文学新人賞佳作受賞作。北海道在住。

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