哲学な日々 考えさせない時代に抗して

テツガクナヒビカンガエサセナイジダイニコウシテ
  • 電子あり
哲学な日々 考えさせない時代に抗して
自分メモ
気になった本やコミックの情報を自分に送れます

内容紹介

日本を代表する哲学者であり、東京大学での講義でも高い人気を誇る著者は、若い頃から坐禅を続けてきました。坐禅には、「本来無一物」(ほんらいむいちもつ)という考え方があります。丸裸の自分に立ち返ることができれば、そこに十分な力が現われてくる。坐禅をして、着ぶくれた余計なものを脱いでいく――この本を支えているのは、そうした引き算の思想です。

前半は、著者の普段着の姿や考えが綴られた50のエッセイを収録しました。
哲学の授業で何を学べばいいのかから始まり、東大生に坐禅を教えるのはなぜか、そして哲学者の日常に起こるさまざまなことが描かれます。
読んでいて思わず口をついて出てしまうのが、「へぇ」とか「うふふ」とか「なるほど」ということば。気楽に読み進めるエッセイですが、そうやって読みすすめるうちに自然と頭のこわばりが解けていきます。
坐禅してみたいと思う人も注目! 坐り方や呼吸のレッスンもあります。

後半は、論理的な文章を書くためにはどうすればいいのか、異なる物語を生きる他者を理解するとはどういったことかなどに触れた10本の小品から構成されます。来し方をたどるとともに、言葉で考えていく実際の様子を伝える「「哲学者になりたいかも」などと考えている高校生のために」、また驚きから始まる哲学の原風景を語った「バラは暗闇でも赤いか?」は、哲学ではどのように思考が重ねられていくのかが見えてきます。

自分のこと、社会のこと、国のこと、世界のこと……、考えなくてはいけないのに、考えようとすると、どう考えたらいいかわからなくなって、前に進めなくなってしまう。考えあぐねてしまう。――こんな時代だからこそ、哲学者は、しかつめらしい言葉を使わずにこの本を書きました。人生で一番大切なものは何か、どうして自殺をしてはいけないのか、など、むずかしいけど、実は私たちが気になって仕方ない問いからも逃げずに、向かい合います。
ここに「ああすればこうなる」式のマニュアルや成功の技術はありません。でも、この本を読み終えたとき、知らぬ間に身につけてしまった鎧から解放され、本来無一物ゆえの力が宿るのです。

目次

  • 1 哲学者のいる風景
  • 1 哲学を教える   2 実技科目なのだ
  • 3 哲学の手触り   4 メタ的な態度
  • 5 立ち止まる脚力  6 バージョン・アップ
  • 7 個別性と一般性  8 案外ダメな授業
  • 9 理系・文系・妄想系 10 高校と大学
  • 11 坐禅ゼミ      12 引き算の思想
  • 13 坐禅のすすめ   14 続・坐禅のすすめ
  • 15 がまんではない  16 すべてはおまけ
  • 17 根拠なき自信   18 身を捨ててこそ
  • 19 大仏の話     20 神だのみ
  • 21 散歩の定義    22 古代のご飯
  • 23 美食の逆説    24 ジムと温泉
  • 25 老いる       26 聞いた話
  • 27 よく分からない  28 大学の気風
  • 29 速さの罪      30 ドレス・コード
  • 31 論トレことはじめ  32 論理的ということ
  • 33 つなぎ方しだい   34 接続詞と日本人
  • 35 論理の必要性   36 文章修業
  • 37 入試問題      38 語学としての国語
  • 39 作りたい教科書   40 国語を教える
  • 41 ほめるのではなく  42 遊び友だち
  • 43 考えさせない時代  44 考える技術
  • 45 掛け声化       46 哲学の言葉
  • 47 歩みをこそ      48 脳神話への叛旗
  • 49 もやもや→すっきり 50 つまらない人間
  • 2 哲学も、哲学じゃないことも
  • バラは暗闇でも赤いか?
  • 論理的に書くために
  • 「哲学者になりたいかも」などと考えている高校生のために
  • 哲学の見本
  • 無意味ではあるけれど
  • モヤモヤを飼い、モヤモヤと遊び、モヤモヤを楽しむ
  • ポリフォニー的な世界      ほか

製品情報

製品名 哲学な日々 考えさせない時代に抗して
著者名 著:野矢 茂樹
発売日 2015年10月28日
価格 定価 : 本体1,350円(税別)
ISBN 978-4-06-219817-2
判型 四六変型
ページ数 224ページ
電子版製品名 哲学な日々 考えさせない時代に抗して
初出 哲学者のいる風景…西日本新聞2015年3月24日~6月3日。バラは暗闇でも赤いか?…「群像」講談社・2012年7月、論理的に書くために…「現代」講談社・2003年2月(「人にきちんと伝わる書き方」を改題)。「哲学者になりたいかも」などと考えている高校生のために…『ことばの宇宙への旅立ち3』ひつじ書房・2010年3月。(「ことばと哲学」を改題の上、大幅に書き直した)、二つの授業風景…「教養学部報」東京大学教養学部・2008年2月(「駒場の哲学」を改題)、哲学の見本…「本」講談社・2007年11月、無意味ではあるけれど…中島義道著『人生に生きる価値はない』文庫版解説・新潮文庫・2011年10月、モヤモヤを飼い、モヤモヤと遊び、モヤモヤを楽しむ…森毅著『数学受験術指南』文庫版解説・中公文庫、2012年9月、「穴」場のお寺…「本が好き!」光文社・2009年11月、タチバナ氏と今井知正先生のことで立ち話…「教養学部報」東京大学教養学部・2010年2月、ポリフォニー的な世界…「en-taxi」扶桑社・2015年7月。本書収録にあたって多少の修正を施しました。

著者紹介

著:野矢 茂樹(ノヤ シゲキ)

1954年東京都生まれ。
東京大学大学院博士課程単位取得退学。
現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。
専攻は哲学。
主な著書に、『論理学』『心と他者』『新版 論理トレーニング』『ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」を読む』『哲学・航海日誌』『語りえぬものを語る』『子どもの難問』など。

オンライン書店で見る