内容紹介
七〇年代、八〇年代は世界史の転換期であった。「愚哲」が組織を離れたそのときの秘密がいまはじめて開示される。「ぼく」に接近する謎の革命家・宋東奎(ソンドンギュ)。はたして北朝鮮の武装革命路線は正しいのか。その反省から新しい民主主義を探求し、「自生的社会主義」思想が生まれようとしていた。とはいえ、その時期、韓国では金大中事件、大統領狙撃事件、光州抗争、拉致疑惑などが相次いで起こっていた。隠された歴史的事件の真相は、いままさに白日の下に晒されようとしている。その歴史の亀裂は、日本と南北朝鮮そして在日の間にも波紋を引き起こす。サハリン朝鮮人(カレイスキー)の抑留はどこまで続くのか。北朝鮮に帰国した趙一族の崩壊、それは小さいこととはいえ、埋もれた民衆史の一つの暗喩たりうるだろう。愚哲はドン・キホーテよろしく挫折しては起き上がろうとする……。
製品情報
製品名 | 地上生活者 第4部 痛苦の感銘 |
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著者名 | 著:李 恢成 |
発売日 | 2011年09月08日 |
価格 | 定価 : 本体3,000円(税別) |
ISBN | 978-4-06-217142-7 |
判型 | 四六変型 |
ページ数 | 680ページ |
電子版製品名 | 地上生活者 第4部 痛苦の感銘 |
初出 | 『群像』2008年9月号~2010年7月号、2010年10月号~12月号まで連載された作品を、一部改稿し、単行本としてまとめたもの。 |