日本近代の“欧化”の象徴としての鹿鳴館――。その華やかさのうしろにある“悲哀”を見出す著者が、近代日本100年の歩みを、そのヴァリエーションとして、再構成しながら、社会・風俗・建築・音楽など、文化の全領域に“欧化という伝統”を発掘。既成の文学史観を覆す知的スリルに満ちた長篇。磯田光一の代表的エッセイ。読売文学賞受賞。