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『神の時空(とき) ─鎌倉の地龍─』高田崇史|講談社ノベルス

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待望の新シリーズ開幕! 『神の時空(とき)─鎌倉の地龍─』 鎌倉将軍暗殺事件の真相とは!?「QED」「カンナ」を超える! 歴史ミステリの最高峰、シリーズ開幕!著作累計200万部突破!

『神の時空(とき)─鎌倉の地龍─』 『神の時空(とき)
─鎌倉の地龍─』

著者:高田崇史
定価:本体 900円(税別)
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女子高生・辻曲摩季が、意識不明の状態となり由比ヶ浜で発見された。同じ頃、鎌倉幕府二代将軍・源頼家と源氏一族の遺跡が荒らされ、鶴岡八幡宮の鳥居が倒壊する!摩季の兄姉と友人の陽一は、二つの事件の背後に潜む怨霊の気配を感じ、鎌倉時代について調べ始めた。すると、数多の謀殺と陰謀が渦巻く、闇の鎌倉殺戮史に気がつく。歴史の闇に隠された、鎌倉将軍暗殺事件の真相とは……!?

新シリーズ始動! 高田崇史さん スペシャル・インタビュー

ついに新シリーズがスタートですね! まずは、シリーズの簡単な紹介と、読みどころを、教えていただけますか?

テーマは「怨霊(鬼)と人間」ということで、ほぼいつもの通りです。ただ「QED」や「カンナ」と違う点は、S・F(少し・ファンタジー)っぽいかな。怨霊と対話したりして。でも、単なるオカルト話だと思って読んでいくと、最後で足をすくわれる構造にしました(笑)。

怨霊と対話!? すると、今回のお話の続きで、実際に怨霊と主人公たちが邂逅するわけですか!?

主人公たちだけではありません。あなたの後ろにも……ほら! でもこのシリーズで書く予定なのは、いわゆる「血も凍る幽霊譚」でも「スペクタクル的SF」でも「破天荒なオカルト話」でもなく、「日常的怨霊の謎」(?)、つまり日常の隣りあわせに存在する怨霊の話です。

高田先生にとって、もしくは主人公たちにとって、怨霊とは、どういう存在なのでしょう。

それはぜひ、彼らと一緒に考えてください。「QED」シリーズを読んできていただいた方々も、もう一度改めて「怨霊」について考えていただければと思っています。いずれ、シリーズの後半には明らかになると思います。

今作は「怨霊」がテーマの一つということですが、やはり高田作品といえば「歴史の謎」! 今回のシリーズにも、あっと驚く謎が出てくるのでしょうか?

基本はあくまでも「歴史の謎」です。公になっていない「謎」の深淵に、たくさんの怨霊たちが跋扈しているので。

いったいどうやって、こんな魅力的な謎を発見されているのですか?

たいていの場合、向こう(彼岸)から教えてくれるのです。「早くこれを書け!」と(本当です)。

鎌倉にも、「歴史の謎」や「怨霊」がたくさん潜んでいるということなのでしょうか。

鎌倉に関しては「QED」でも「カンナ」でも取り上げたのですが、書ききれなかったこと(特に怨霊に関して)を書いてみました。ぜひ、この本を手に鎌倉や修善寺を巡ってみてください。実際その通りなんだから(笑)。

そして、何より気になるのが、今後の刊行スケジュール! 次回作の構想はもうできているのですか?

シリーズ全体の流れは、全8作で決まっていますが、次回作に関しては、○○と△△、どちらから先に書こうかな……というところです。でも、どちらにしてもあと2?3ヵ所取材に行かなくてはならないので、そのスケジュール次第です。

なるほど……。ずばり、次回作は何月刊行予定でしょうか?

ずばり、お盆前!

では、最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

題材は相変わらずですが、主題が今までの作品とは少し違っています。15年も書いてきて少し大人になりました(笑)。また、その主題に関しては、シリーズの半ば頃で気づいていただければと思っています。なので、ぜひとも頑張ってそこまでは(!?)読んでいただけるよう祈念しております。

メフィスト2013 VOL.3 掲載

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著者コメント

六百年ほど前の話です。
鵺(ぬえ)とおぼしき怪鳥が北野天満宮に現れ、大騒ぎになった事件がありました。結局、怪鳥は見事に退治されたのですが、その時人々は「天神様の力が弱った」「天神様は病気なのだ」と思ったそうです。
では、どうして病気になられてしまったのか。それはきっと天神様が、自分たちの厄(疫)を引き受けてくださったからだ。
それなら今度は、自分たちが天神様を看病する番ではないか——。
そう考えて、人々は盛大な祭(祀り)を執り行ったといいます。このように、庶民と怨霊は近しい仲にあったのです。
怨霊を汚らわしいモノとして嫌悪していたのは、その怨霊を作り出した権力者たちであり、一般庶民はむしろ同情の念を抱いて彼らと共に生きていたのです。

昔から我々日本人の周りには、怨霊があふれていました。
平安時代、嵯峨天皇の頃から約三百四十年間にわたって、平時における死刑制度が停止された理由の一つには、当時の人々が非常に「怨霊」を恐れていた事実があるともいわれています。恨みを持って亡くなった人々は「怨霊」となり、数々の災厄や疫病、そして新たなる争いを引き起こすと考えられていたからです。
そこで我々の祖先たちは、多種多様な方法を以て怨霊たちの慰撫に努めてきました。神社のお祭などはその最たるものです。
「祭り」は「祀り」であり、そのまま「祈り」であるのですから。
その他にも伝統芸能である「能」を始めとして、大衆の娯楽であった「歌舞伎」の中にまで、怨霊慰撫の場面を多く見ることができます。
しかし彼ら怨霊の多くは、時の権力者たちによって真実を改竄され、冤罪を被ったまま歴史の中に埋もれてしまっているわけです。
そんな彼らの真実の姿を、もう一度改めて見つめ直すこと。
それが非情な立場に追いやられている怨霊たちへの慰撫鎮魂であり、多少なりとも供養になるのではないかと思い、このシリーズを書き始めました。
みなさまとご一緒に怨霊鎮魂の旅に発つことができれば、これにまさる喜びはありません。

プロフィール 高田崇史(たかだ・たかふみ)
昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒。『QED 百人一首の呪』(講談社ノベルス)で、第9回メフィスト賞を受賞しデビュー。著作に「QED」シリーズ、「カンナ」シリーズ、「鬼神伝」シリーズ(2011年アニメ映画化)、「千葉千波の事件日記」シリーズなど。近作に 『軍神の血脈 楠木正成秘伝』がある。

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担当者コメント

鎌倉時代って、何だか地味……。そんな風に思ってませんか。ですが、実は名だたる武将達が、惨殺、謀殺、暗殺されている、危険な時代なんです……。長い日本の歴史でも、ここまで謎の多い時代はありません。果たして、これらの謀略の糸を引いていたのはだれなのか?
鎌倉幕府三代にまつわるとんでもない秘密を、歴史ミステリの雄・高田先生が暴きます!

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神の時空シリーズ スペシャル・MAP

修善寺周辺図

鶴岡八幡宮 境内見取り図

鶴岡八幡宮 境内見取り図

神奈川県鎌倉市にある、鎌倉初代将軍・源頼朝ゆかりの神社。源氏・鎌倉武士の守護神。境内には北条政子が造らせたと伝わる、源平池と呼ばれる池がある。

摩季の事件と前後して、鶴岡八幡宮の鳥居が倒壊する。陽一たちは事件を追ううちに、鶴岡八幡宮にたどり着く。ここに、すべての事件の謎を解く鍵があるらしく、この見取り図からもその秘密の一端が窺い知れるらしいのだが……。

高田崇史既刊リスト
  • 『QED 伊勢の曙光』

    『QED 伊勢の曙光』
    伊勢神宮に秘められた驚愕の真実!
    歴史ミステリーの金字塔 堂々完結!!

    講談社ノベルス

  • 『毒草師 白蛇の洗礼』

    『毒草師 白蛇の洗礼』
    千利休はキリシタン!? 御名形(みなかた)が奇怪な毒殺事件と“茶聖”が残した謎に迫る!
    「QED」一の曲者・御名形史紋(しもん)が大活躍!

    講談社ノベルス

  • 『QED 出雲神伝説』

    『QED 出雲神伝説』
    三輪山の「蛇」とは? 出雲臣の呪いが奇妙な連続殺人を招く!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『毒草師 QED Another Stor』

    『毒草師 QED Another Story』
    『伊勢物語』と「一つ目の鬼」。旧家連続失踪事件の真相は!?
    「QED」のあの御名形史紋(みなかたしもん)が事件を斬る!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED 諏訪の神霊』

    『QED 諏訪の神霊』
    天下の奇祭「御柱祭」に封じられた怨念が解き放たれる!!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED ?flumen? 九段坂の春』

    『QED ?flumen? 九段坂の春』
    鎌倉宮、浅草寺、熊野灘……。封印された歴史に導かれ、哀しき殺人の連鎖を解く!!
    桑原崇の初恋を終わらせた謎とは!?

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED 河童伝説』

    『QED 河童伝説』
    罪なき人が殺められ、虐げられる。
    それは河童に隠された謎に繋がっていた!!
    連続殺人事件発生。真相は!?

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED ?ventus? 御霊将門』

    『QED ?ventus? 御霊将門』
    今、将門の歴史が変わる!
    大怨霊に隠された真実の顔が明らかに!!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED 神器封殺』

    『QED 神器封殺』
    三種の神器に纏(まつ)わる秘密 神社をめぐる不思議な謎 浮かび上がる驚愕の真実!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED ?ventus? 熊野の残照』

    『QED ?ventus? 熊野の残照』
    牛王宝印(ごおうほういん)に秘められた八咫烏(やたがらす)の正体と熊野三山の謎を解く!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED 鬼の城伝説』

    『QED 鬼の城伝説』
    桃太郎に虐げられし、鬼たちの慟哭(どうこく)が聞こえる!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED ?ventus? 鎌倉の闇』

    『QED ?ventus? 鎌倉の闇』
    闇と空白が真実を象(かたど)り、鎌倉、源氏三代にまつわる謎を解き明かす!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED 龍馬暗殺』

    『QED 龍馬暗殺』
    平家の落人(おちうど)伝説が残る高知の山村。嵐の中、龍馬暗殺の黒幕が露に!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED 竹取伝説』

    『QED 竹取伝説』
    かぐや姫の正体とは?
    『竹取物語』の真実とは?
    “七夕”に秘められた呪(しゅ)とは!

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    講談社文庫

  • 『QED 式の密室』

    『QED 式の密室』
    “安倍晴明伝説”の闇を照らし出し、“式神”の真(まこと)を射貫く!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED 東照宮の怨』

    『QED 東照宮の怨』
    日光東照宮にまつわる深秘(じんぴ)が、謎を解に導く!

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    講談社文庫

  • 『QED ベイカー街の問題』

    『QED ベイカー街の問題』
    「ホームズ譚」の解釈を巡る驚倒の殺意!

    講談社ノベルス
    講談社文庫

  • 『QED 六歌仙の暗号』

    『QED 六歌仙の暗号』
    魔術(うた)を忘れた我々に隠されていた真実が、容赦のない論理で暴かれる──有栖川有栖

    講談社ノベルス
    講談社文庫

カンナシリーズ

  • 『カンナ 京都の霊前』

    『カンナ 京都の霊前』
    破邪顕正!! 歴史アドベンチャーシリーズ堂々完結!
    非実在聖徳太子の正体とは!? 今、日本史の常識が覆る!

    講談社ノベルス

  • 『カンナ 出雲の顕在』

    『カンナ 出雲の顕在』
    出雲大社が荒ぶる神『素戔嗚尊(すさのおのみこと)』を追放した真意は!?

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  • 『カンナ 飛鳥の光臨』

    『カンナ 飛鳥の光臨』
    闇に葬られた「裏の日本史」が甦る!
    知られざる真実に震撼する歴史アドベンチャー!!

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鬼神伝シリーズ

千葉千波の事件日記シリーズ

その他

『古事記異聞 京の怨霊、元出雲』高田崇史 『またね家族』松居大悟 『修羅の家』我孫子武丸 『#柚莉愛とかくれんぼ』真下みこと 『希望と殺意はレールに乗って アメかぶ探偵の事件簿』山本巧次 高田崇史ONLINE