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『404 Not Found』法条 遥|講談社ノベルス

講談社ノベルス

新鋭が仕掛ける超絶技巧! 斬新奇抜タイムリープミステリ! 時間の巻き戻し―終わらない今日―俺はここから逃げられない! 『404 Not Found』法条遙

著者コメント

 3年前、ホラー大賞の長編賞を頂いてデビューした訳だけど、正直、デビューした頃は、何故自分が選ばれたのか、よく分かっていなかったと思う。それは即ち、自分がどういうものをテーマにしている作家なのか、自分でも把握していなかったという事になる。
 あれから3年、何とか書き続けて来れたけど、この頃ようやく、自分が何をテーマにしているのか、分かってきた気がする。
 それは、ある種の「理不尽」だと思う。自分でも何でこんなものをテーマにしているのか、よく分からないけれど、とにかく私の作品には「理不尽」が一杯出てくる。そして、その「理不尽」に立ち向かったり、諦めたり、驚いたりする様を、主人公というキャラクターを通じて、世に問うている。まあ、格好よく書けば、こんな所だろうか。
 今回、講談社ノベルスで出す『404』は、実はデビュー前に書いたものが原型だったりする。昨年、早川さんから出した『リライト』も、同じくデビュー前の作品だったが、これはその『リライト』より、もっと昔に書いたもの。つまり、私こと法条 遥の原点にして、私が最も「これは理不尽だ」と感じたテーマを、作品にしたものである。
 『404』は、本当に理不尽な物語だ。誰にも、何にも、責任はないし、「悪い奴」なんて出てこないのに、誰も、何も、救えずに、終わる。
 だから、読んだ人の中には、「フィクションの物語なのに、何故ハッピーエンドにしないのか?」などと、憤る人もいるかもしれない。しかし、それこそ理不尽である。何故なら『404』は、フィクションだからこそ『404』という結末を迎えるのだから。

著者プロフィール
法条 遥(ほうじょう・はるか)
第17回日本ホラー小説大賞の長編賞を『バイロケーション』(『同時両所存在に見るゾンビ的哲学考』改題・角川書店)で受賞しデビュー。他の著書に『地獄の門』(角川書店)、『リライト』(早川書房)などがある。

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担当者コメント

新進気鋭の異才、法条 遥さんのノベルス初登場作です!
自殺した主人公が意図せぬタイムリープに巻き込まれます。大きな謎を孕んだ世界の真実に、主人公は徐々に肉薄していきますが……!?
この原稿を一読して、どんなジャンルにも収まりきらない、法条さんしか書けない物語だと感じました。打ち合わせの最中にも、ここまで考えられているのか!? と担当者は驚愕することばかり。新しい才能の煌めきをきっとあなたも感じるはず!

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法条 遥さん一問一答 Part.1

作家を志したきっかけを教えてください。

色々理由はありますけど、「お金を稼ぐ手段」として、やりたいと思ったものが、小説家以外になかったから、というのが一番大きな理由ですね。もちろん、やる気があっても才能がなければ続かない職種ですから、三十歳まで頑張って、無理なら諦めようと思っていました。

デビューしてから今までで、一番思い出に残っていることは何ですか。

受賞が確定した後、編集さんから打ち合わせをしましょう、と言われる訳ですが、「東京の○□駅(その出版社から一番近い駅)まで来て下さい」と言われて、パニックになりました。東京なんて、修学旅行でしか行った事がありませんでしたから……。

影響を受けた作家・作品を教えてください。

森博嗣さんですね。作品はもとより、思想や生活スタイル、そのすべてに感銘を受けました。
文章に関しては、野梨原花南さん。個人的には、この人の文章が日本一綺麗だと思います。
物語の内容については、三津田信三さん。高いレベルでホラーとミステリーを融合させていて、凄いと思いました。
新刊が出たら必ず買う、というのはこの三人ですね。

執筆スタイルを教えてください。

普通にパソコンで、ワードで書いています。フローチャートが決まって時間が空くと、「よしやるか」という感じで、一作につき一週間ぐらいで書き上げるようにしています。

執筆中、かかせないアイテムは何かありますか。

気分転換用にパソコンのソリティア、これがないと書くどころかゲラ作業も出来ません。

今回の『404 Not Found』を書くことになったきっかけを教えてください。

ストーリーは、主人公の自殺から始まる訳なんですが、自殺って、究極の自己否定じゃないですか。自分の命を、自分で奪う事を、自分で決める。それすら出来ない世界、ってのを描きたかったんです。

どんな読者に読んでほしいですか。

私もそうですけど、「ラストでご都合主義によってストーリーを無理矢理ハッピーエンドに纏めてしまう」という小説を読むとイラッとするタイプの人には、うってつけなんじゃないでしょうか。

『404 Not Found』は、一言で言うとどんな小説でしょうか。

「違う」ですね。自分と他人は当然「違う」んですけど、中には何か、共有できるものもある。でも、人によってその共有したものの価値は違うし、どう扱うかも違う。そうした事を、擬似的に表現した物語だと思います。

今後挑戦したいテーマ、舞台などあったら教えてください。

とりあえず、今考えているのは『リライト』(早川書房)の続編です。

2013年の刊行計画を教えてください。

まず、本作が二月に刊行。あと、時期は不明ですが新潮社さんから、とある現象をテーマにした作品が一作(こちらはもう執筆済み)。そして、恐らく夏頃に早川さんから『リライト』の文庫化で一作、さらに(書ければ)秋に『リライト』の続編がでる予定です。とりあえず「出す」のが決まっているのはこの四作で、他にも角川さんからホラー文庫で一作、今年中に出したいと言われています(こちらはまだ書いてません)。

読者の方々に一言!

『404 Not Found』、最後まで読むと、多分「裏切られた!」みたいな気分になると思いますが、まあ、読書って気持ち良くなる為だけのものじゃないよね、みたいに捉えてくれると嬉しいです。

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法条 遥さん ちょこっとネタバレ 一問一答 Part.2

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