レイトショー(下)

著:マイクル・コナリー 訳:古沢 嘉通
定価:968円(本体880円)

 レネイは、ロス市警のエリート部門である本部強盗殺人課の殺人事件特捜班で殺人事件担当刑事として五年余り勤めていたが、二年まえ、班長に着任したロバート・オリヴァスにセクハラをされ、それを告発したものの、セクハラ現場に居合わせたパートナーのケン・チャステイン(『エンジェルズ・フライト』の最後に暴徒に襲われて死亡したロス市警内務監査課刑事ジョン・チャステインの息子)が保身のため、レネイの告発を裏付ける証言をしなかったせいで、告発は不問に終わり、レネイはハリウッド分署に飛ばされ、分署長がオリヴァスと警察学校の同期だったことから、”深夜番組(レイトショー)"と呼ばれる夜勤担当にさせられた。以来二年、深夜番組をパートナーのジョン・ジェンキンズとともに粛々と勤めているが、事件の本格的捜査は、昼勤担当刑事がおこなうため、やりがいを覚えずにいた。
そんなある夜、受け持ち地域で、三件の事件が起こり、レネイたちは、処理に追われる。
 一件は、自宅に空き巣が入り、財布が盗まれ、クレジットカードが不正使用されたというひとり暮らしの老婦人の対応。
 二件目は、暴行事件。女性がひどい暴行を受けた状態で駐車場に放置されていたのが見つかり、レネイたちが運ばれたERに赴いたところ、被害者ラモナ・ラモネ(女装男性)は、「さかさまの家」という謎の言葉を残して、昏睡状態に陥る。
 病院にいたレネイたちに、三件目の緊急連絡が入る。ハリウッドのクラブ「ダンサーズ」で、発砲事件が起こり、四人が即死、ひとりがレネイたちのいる病院に緊急搬送されているところだという。レネイは、緊急搬送されている被害者を病院に残って担当し、ジェンキンズは、現場の応援に来いとのことだった。
 病院に運ばれた被害者の女性シンシア・ハデルは、到着時死亡で助からなかった。彼女は、クラブのウェイトレスで、発砲事件に巻き込まれたのだった。
 クラブのブースに座っていた四人組のうちひとりが、他の三人を撃ち殺し、逃げる途中で、立ちはだかった用心棒を撃ち、その巻き添えでシンシアも撃たれてしまったのだった。逃げた犯人の行方は杳として知れなかった。
 シンシアの死亡を確認し、クラブの事件現場に向かったレネイは、捜査の指揮を取っているのが、かつての上司オリヴァス率いるチームであることを知る。パートナーだったチャステインもいた。オリヴァスは、シンシアの情報を受け取ると、レネイに事件現場から立ち去るよう強く命じた。
 

レイトショー(下)

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