分冊文庫版 塗仏の宴 宴の支度(下)

著:京極 夏彦
定価:692円(本体629円)

自分は全部自分だと思うのは。――勘違いか。
ものすごい勘違いですよと少年は云った。

「俺個人がねえだと?」。胡乱(うろん)な健康法を伝授する「長寿延命講」のからくりを暴き、嘯(うそぶ)く“心霊少年”藍童子(らんどうじ)の言に刑事・木場の心は乱れた。折から富豪・羽田隆三の依頼に応じて伊豆下田に赴いた織作茜の前に再びあの男が現れていう。「しりたいですか」。それは新しい道ならぬ黄泉路(よみじ)へと茜をさしまねく声だった。

分冊文庫版 塗仏の宴 宴の支度(下)

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